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『ボディフォーカスト・アプローチ(BFA)との出会い』

出会いというのは面白い。

ひととの出会いはもちろんだが、何かしらの世界や分野といったものが、後々そのひとの人生を変える場合があることは誰もが気づいているのではないだろうか。

私にとって学院に入学しアーノルド・ミンデルのプロセス指向心理学そしてトランスパーソナル心理学に出会ったことは、とても意味のあることだった。

しかし、それ以上に大きな出会いとなったのは、やはりボディフォーカスト・アプローチ(BFA)である。

もし最初に私が『昏睡状態の人と対話する』という本を読まなければ、おそらくプロセス指向心理学に惹かれることはなかっただろう。それほどこの本は、まるで頭をガーンと殴られるような実に衝撃的なものだった。そこから一気に関心、興味はプロセス指向心理学、プロセスワーク、コーマワークとへと向かうことになったのだが、偶然にもその分野を専門にしていたのが、現在もBFAを学んでいる大高先生だったのである。

もしこの分野の専門が別の先生であったなら、あるいは今日まで先生に師事することはなかったかもしれない。偶然に偶然が重なったというのは、もしかしたらこういうことを言うのではないか。

実は、学院に入学することが決まってから授業が始まるまでに、先生とは三度出会っている。

 一度目は面接試験。私を担当した面接試験官が先生だった。ただ、そのときは初めから終わりまで緊張しっ放し。質問に答えるのが精一杯で、正直なところ先生の顔をよく憶えていない。あとになって「ああ、あのときの面接官は先生だったのだ」と気がついた。

 二度目は体験入学。たまたま選んだその日の授業が、偶然にも先生のクラスだった。

 そして三度目。入学が決まり第一希望の土曜朝クラスになったのだが、そのクラスの担任が先生だったのである。

今でもときどき、もしBFAに出会わなければ、今ごろ私はいったいどうなっていただろうと思う。実際、想像してみてもイメージは湧かない。無理に想像するならば、きっと相変わらず病弱で、自分がやりたいと思うことを「過労になるかもしれない」「病気を引き起こしたらどうしよう」とつねに我慢して、悶々としたストレスいっぱいの生活を送っていたのではないかと思う。

それほど以前と現在の私との間には、身体のみならず心においても歴然と大きな違いがある。自分でも驚いてしまうほどだ。

そんなBFAとの最初の出会いは、学院在学中に開かれたワークショップだった。

やっぱりあのときも瞑想から始まった。現在は日課としている瞑想だが、当時は瞑想の「め」の字も知らない全くの初心者だった。しかし覚えたいとの意識はあったらしく、その日の日記には「覚えられてラッキー!」と書いてある。

 今は心理療法、カウンセリングの手法のひとつとして確立されているBFAだが、あの頃はボディワークのひとつという認識を持って参加したような気がする。

 椅子に腰掛けての瞑想のあと、目をつぶって床に立った姿勢のまま「身体をなるがままに、ゆだね続けていくと何が起きるだろう」というワークをした。そして衝撃的なシーンを目の当たりにしたことはいまだに忘れることはできない。

私たちは日頃たくさんの出来事に遭遇する。個人によって差はあるが、楽しいこと、嬉しいことは全体の一割か二割ではないだろうか。残りのほとんどがストレスを感じることであったり、我慢を強いられることであったりする。しかもそのストレスを発散できず、内に閉じ込め抑圧して生きているひとのほうが圧倒的に多い。

自分自身のことであればまだ納得できる。しかし、それが家族や周囲のひとたちや物事となると、なす術もなく我慢、我慢の連続を強いられてしまう。

実際、そういうことは至るところにあるわけで、そうした閉じ込められたものがボディワークを通して、情動的な動きや激しい感情の揺れとなって表出する場面を目の当たりにしたのはこのときが初めてだった。

いかに抑圧がひとを苦しめるか、どのように心や肉体に作用するかを私は体験をもって気づかされたのである。

 あの日を切っ掛けに、BFAのワークショップに毎回欠かさず参加するようになって三年あまりが経つが、この世のあらゆるものが変化を遂げていくように、BFAも少しずつ、少しずつ確実に変化している。

最初はボディワークの分野とのイメージだったものから、瞑想からアプローチするイメージ、抑圧からくる身体症状にフォーカスするワークやドリームワーク。さらに現在では心理療法、そしてカウンセリングへのアプローチとその範囲はどんどんと広がり、磨きがかかっている印象を受ける。

そういう点で、BFAは今も進化し続けているのである。

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